UTM SEは実用に耐えなかったので諦めました

こんにちは、如月翔也(@showya_kiss)です。
 Mac用の仮想化アプリにUTMというものがあるのですが、このUTMがiOS/iPadOS向けにUTM SE(UTM Slow Edition)として公開され、これを使うとiPhone15ProMaxやiPad mini(A17 Pro)などで仮想化したLinuxが動くというので、iPad mini(A17 Pro)でUbuntuが動けばその上でSidekickやZen Browserが動くという夢のような展開が考えられるので試してみました。
 結果、このブログで書いている時点でお察しなんですが、できなくはないんでしょうが僕は諦めました。

UTM SEとは

AppleがApp Storeでエミュレーターを許可し始めたので、UTMの亜種で都度処理を行うため動作が遅い「Slow Edition」として「UTM SE」というのがApp Storeで公開されています。
 恐らくなんですがテスト用の公開で、実動作環境として考えていない構成で、動作が鬼のように遅いのでちょっと使い物になりません。
 また、日本語での情報がほぼないのでエラーのトラブルシュートも難しく、英語の掲示板で情報を漁っても良いソースには当たりません。

対象環境としては

最初iPad mini(A17 Pro)で仮想環境のインストールを試して躓いた時は「これはMチップ専用か?」と思ったんですが、iPhone用のApp Storeにも公開されており、Mチップを使ったiPhoneは存在しないのでAチップで動作するのは確定なのでちょっと時間をかけて付き合ってみました。

配布されているUbuntuパッケージですが

UTM用に配布されているUbuntuパッケージをダウンロードして使う事ができるんですが、UTM SEからページを開いてUbuntuパッケージをダウンロードしようとすると5GBで6時間とかかかります。僕の家の回線は10GBで実測700Mbps出てるので向こうのサーバーが貧弱なんだと思います。
 僕は6時間は我慢できなかったのでブラウザでダウンロードしつつUbuntuのISOをダウンロードしてきて自分で仮想環境を作ろうとしました。

最初の関門:「Display output is not active」

ISOをダウンロードして来て仮想化環境にインストールする時に最初に出会う関門はインストーラーが起動する前に「Display output is not active」というエラーで画面が真っ黒なままの状態になる事です。
 ここは10分とか待っても何も変わらないので「エラーだな」と判断するんですが、エラーではありません。Slow Editionなので読み込みがとってもスローなのでディスプレイに出力する段階に進むまでに30分〜50分かかるのです。
 黙って待っているといつかマウスカーソルが出て、そこから10分くらい我慢するとインストーラーが立ち上がります。
 ただ、ここで注意して欲しいんですが、iPadやiPhoneにUbuntuをインストールする場合、UTM SEの場合ISOファイル名に「arm」が入っていないと受け付けてくれません。しかしUbuntuの22.04LTSや24.04LTSでは「arm」ではなく「amd」のファイル名が使われているのでそこで蹴られてインストールできません。
 そのため、Ubuntuをインストールしたい場合ServerのArmバージョンをインストールしてからServer上にDesktopをインストールする流れになります。
 僕はServerのインストールまでは根性と時間をかけてなんとかしたんですが、Desktopをインストールするにあたって先に「sudo apt-get update」を走らせたらTimeOutのエラーが出て画面が固まり、仕方なく再起動したらインストール画面に戻ってまた50分待たされたのでキレて諦めました。再起動のたびにインストールとかしてられません。

UTMで配布しているイメージについて

UTM SEからリンクを開いてダウンロードできるUbuntu22.04LTSは結局一晩かけてダウンロードしたんですが、Zipなので展開して、拡張子「utm」のファイルができるのでそれを実行するとUTM SEが起動してUbuntuを読み込んでくれます。
 やはり「Display output is not active」で30〜40分待たされますが、黙って待っていればUbuntuのログイン画面が表示されます。
 このイメージ、ログインユーザーが「ubuntu」でパスワードも「ubuntu」なんですが、ログイン画面でユーザーを指定してパスワードに「ubuntu」を入れてリターンすると、パスワード相違で跳ねられるわけでもないんですが何故か10分くらい待たされてまたユーザー選択・パスワード入力画面に戻されます。
 5回繰り返して1時間無駄に使い、インストールが悪かったかと思って一度仮想化ファイルを消してZipを展開し直して開き直したんですが同じ問題で結局UbuntuのGUI画面は開く事が出来ませんでした。

結果から言うと

結果から言うと僕の検証の範囲ではUbuntu24.04LTSのServerはインストールできてコマンドラインまでは行けたんですが、その後Desktopをインストールする事はできませんでした。
 また、配布のイメージからはログインができませんでした。
 というか、起動に30分単位でかかられると使い物になりませんし、もしこれがちゃんと使える方法がわかったとしても、使うために30分待つ心の余裕は僕にはないので使う必要性はないな、という結論に達しました。
 本当はiPad miniでUbuntuを立ち上げてその上でSidekickやZen Browserが使えれば面白い、iPhoneでもSidekickを横長に使っている僕からすると逆に横に広く使えるのはちょっとおもしろいかも、と思っていたので残念です。
 ただ、UTM SEがApp Storeの審査を抜けられるという事はUTM自体もいつかは審査を抜けられるという事を示していると思うので、UTMの方でサクサク動くのであればそれを待つのも手かな、と思います。

というわけで久々の失敗話でした。

というわけで、久々の失敗話でした。
 Devil!DareDevl!!は試して失敗した物をどんどんメモっていく導線のぶログだったはずなので(最近はガジェット系の長くない話を投稿していましたが)本筋の話に戻せて良かったです。
 でも失敗は失敗、めちゃくちゃ悔しいのでいつかリベンジしたいです。

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devildaredevil 男性

 ガジェットとAppleとTRPGが大好きな中年男です。文章をとにかく書くのが好きなので毎日のように色々なブログで文章を打ちまくっています。もし何か心に引っかかるものがあれば私のTwitterをフォローして頂けると更新情報が流れます。